本気の恋を、教えてやるよ。
「うん……」
『ふふ、きっとこれから駒澤が猛アタックしてくるわよ。駒澤、可哀想だったんだからね〜?』
あんたが筒井と仲良くしてるから、すっかり落ち込んじゃってて。なんて梓ちゃんの言葉は、もうあまり聞こえてこなかった。
猛アタック、という言葉に気を取られて。
「……っ、」
『え、なにその沈黙。……もしかして、もうされた?』
「いや、違っ」
『何されたの?告白?』
「……っ!?な、何で……!」
何でわかるの!?
あ、図星なんだ。と笑う声。……ああもう、恥ずかしい。
『で、どうしたのよ。OKしたの?』
「し、してない。友達から……ってことになった」
──あの日。
慶太にフラれて、泣いていたあの夜。
突然駒澤くんがやって来て、私のことを温めるように抱きしめて。
聞いてるこっちが苦しくなるような切ない声で、「付き合って」と告白された。今すぐじゃなくていいから好きになってとも。