本気の恋を、教えてやるよ。



ごめんね、駒澤くん……。

曖昧な関係を続けてしまうのは、君と離れたくないから。


『茉莉、自分の気持ち、ちゃんと見極めるんだよ』

「うん……」


ごめんね、梓ちゃん。


梓ちゃんはいつだって、正しいことを言ってくれていたのに。


ありがとう、と呟くと、向こう側で呆れたように笑う声が聞こえた。






【初詣行かない?】


そんなメッセージが駒澤くんから届いたのは、大晦日の朝のことで。


突然の連絡に、思わず目をぱちぱちと瞬いた。


初詣……?


それから幾つかやり取りをしたところによると、どうやら今日の夜に神社に行って、二人で年越しを迎えたい、ということらしかった。


ふ、二人で……。


二人、と強調するように書かれた文字にドキドキする。


私は、火照った頬を片手で冷ましながら、【行きます】と駒澤くんに返事をした。



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