本気の恋を、教えてやるよ。
「駒澤くん……!」
「おー、……久しぶり」
夜、十一時半頃。
待ち合わせ場所に着くと、駒澤くんは既にそこに居た。
「待たせちゃった?寒かったよね、ごめんね……!そうでなくても、私の家の方まで来て貰っちゃったのに……」
「別に待ってないから」
はは、と目を細めて笑う駒澤くん。
嘘つき。そんな鼻の頭真っ赤にしてるくせに。
「ほんと、ごめん……」
もう少し早く家を出ればよかったな。
なんだか申し訳なくなって、俯きがちにまた謝る。
「んー……」
すると、駒澤くんは何か考え込むようにしてから──ふと、私の左手を握った。
驚いてバッと顔を上げると、駒澤くんが柔らかい視線を私に向けていて。
「そこまで言うなら、こうしてて」
そしたら俺もあったかいし、と指を絡める駒澤くんに、胸が甘く音を立てた。
優しすぎるよ……。