本気の恋を、教えてやるよ。



「自分で思ってたより、アンタと帰れないことが寂しかったみたい」

「っ!」


ま、またそんなことをサラッと……!


もう本当に、駒澤くんといると心臓が何個あっても足りないから困る。


「その代わり、日曜日に……」

「え?」

「日曜日、ちょっとの時間でいいの。会いたい」


ぱ、と顔を上げて、真っ直ぐに駒澤くんを見つめる。


「日曜日、って……」

「……待たせてごめんね、その時にお返事するから」


少し笑って見せれば、駒澤くんは「……うん」と頷いて。


──これでもう、後には引けない。




そして、日曜日。


今日は朝から晴れていて、気持ちも上向きになる。


まるでこれからの私を、応援してくれてるみたいだ──なんて、大袈裟だけど。


今日は駒澤くんにお願いして、数駅乗ったところにあるカフェで会ってもらう約束だ。


「……よし」



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