本気の恋を、教えてやるよ。



落ち着かなかったせいかいつもより早足になってしまい、想定より早い電車に乗れたせいか早めに着きすぎてしまった。


どうしようかな、と考えたところで、後ろからトントンと肩を叩かれて。


駒澤くん?と振り向いた先にいたのは、見覚えのない二人組だった。


「え……っと?」


ニコニコとどこか胡散臭い笑みでこちらを見るチャラそうな二人。これは……。


「おー、久しぶりに大当たり」

「君可愛いね、一人?」


や、やっぱりナンパだ!


時計見ながらキョロキョロしていたんだから、待ち合わせに決まってるのにと思いつつヘラりと笑って躱そうと試みる。


「や、待ち合わせしてて」

「へー、友達?女の子?」

「なんならその子も入れてカラオケとかどう?奢るしさ〜」


いや行きませんー!と困り果てながら、「いや男の子で……」と言おうとした時。


「──俺だけど」



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