本気の恋を、教えてやるよ。



な、なんというナチュラルな上目遣い!


「そ、そうなんだ!駒澤くんも来たことあるの?」

「ない」

「えっ」

「アンタが好きなものは俺も好き」

「〜っ!」


ああもう、心臓もたない。


「顔真っ赤」

「駒澤くんが不意打ちするから……!」

「だってホントの事だし」


顔を両手で覆って茹だる私を他所に、ぺら、と片手でメニューを捲りながらなんでもない事のように言ってのける駒澤くん。


……駒澤くんはきっと、天然タラシってやつだと思う。


「駒澤くん……チャラい……」

「え。いや、何いきなり」

「なんでもない」


無自覚で女の子たらしこんじゃうなんて、恐ろしすぎる。


それから暫くは他愛もない雑談をして。


飲み物もケーキもそろそろ無くなってきたな……という所で、私は本題に入った。


「えっと……なんで今日私が駒澤くんを呼んだのかは、もうわかってると思うんだけど」



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