本気の恋を、教えてやるよ。
ぺちっ、と痛くない強さでおでこを叩かれながら言われてしまい、私は赤い顔で黙るしか無かった。
「よし。じゃ、家まで送る」
「え!いいよ、真逆だし……!」
「今更?俺がもう少しアンタと居たいだけなんだけど……分かんない?」
目をじっと覗きこまれながら指を絡められ、思考がぐるぐると混乱していく。
「駒澤くん……!」
「なに?嫌?」
「い、嫌じゃないけど、恥ずかしい……」
「俺は楽しい」
ニッコリ笑う駒澤くんは、いつになくニコニコと上機嫌だ。
こっちは心臓がドキドキ越えてドッコンバッコンいって死にそうなのに、原因である目の前のイケメンは鼻歌でも歌い出しそうな雰囲気である。
多分何を言ってもダメだ……。
諦め、仕方なく手を繋いだまま電車に乗り、私の家の最寄り駅に着く。
「あー、仕事行きたくね〜。仕事じゃなきゃ、もう少しアンタと居れるのに」