本気の恋を、教えてやるよ。
ジュエリーショップで一目惚れして買った。柔らかい色合いが、ふわふわと優しい稲葉の微笑みに、良く似合う気がして。
「かっ、わいい……!ありがとう、毎日付けるね」
「シャンパンガーネットって言うらしい。……店内、女の子しかいなくてちょっと恥ずかしかったけどな」
「ふふっ、でも買ってくれたんだね」
すると、徐にピアスを付けて、どう?と俺を見上げる稲葉。
耳朶に光るピアスが、なんだか俺のモノって印のようで独占欲が満たされる。
「似合ってる。可愛い」
微笑めば、花が綻ぶように稲葉も笑みを返してくれる。
それから、食事を終えた俺たちは手を繋いで稲葉の家まで歩いた。
「今日は本当にありがとう。……手作りの安いチョコレートだったのに、得しちゃった」
いつも別れるところで立ち止まると、稲葉が俺に向き直り、照れたように耳元を触る。