本気の恋を、教えてやるよ。



慶太が、私にも見えるようにパソコンを少し傾けてくれる。


それに甘えてじっと覗き込んでいると、ふと慶太が「……なあ」と声を掛けてきた。


顔を上げると、凪いだ双眸に囚われる。


「駒澤と、付き合ってるの?」


予想外のタイミングで問われた内容に、心臓が跳ねる。


「えっと、……うん」


緊張しながらもこくりと頷いて答えると、


「そっか。……幸せになれよ」


慶太はそう言って、柔らかく微笑んだ。


















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