本気の恋を、教えてやるよ。



内気なところがある茉莉だったけど、仲良くなればなるほど茉莉は人並みにお喋りもするし、よく笑う。


それに細やかな気配りができて優しく、モテるのも頷けた。


──気づいた時には、もう好きだった。


合同研修が終わると、関わりがなくなってしまい悩んだ。


でもその段階でアプローチをかける勇気もなく、日々は過ぎていく。


しかし、配属先が茉莉と同じ本社だと知り、今しかない──そう思った。


それからは何かと理由をつけてご飯に誘ったり、休日デートに誘ったり。


やっぱり茉莉は同期だけでなく、先輩からも人気で、モタモタしてたら誰かに奪われてしまうかもしれない。そう思ったら抑えきれず、クリスマスの日に告白した。


「……好きだ。俺と、付き合ってください」


柄にも無く緊張して敬語になる俺に、茉莉は微笑み、そして綺麗な涙を流した。


なんで泣くんだ、と焦る俺に、嬉し涙だと幸せそうに微笑む君。



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