本気の恋を、教えてやるよ。



──全てが幸せな筈だった。


ずっとこのまま幸せが続いていくと思っていたし、続かせるつもりだった。


なのに、それを壊してしまったのは他でもない俺自身で。


気付けば、君の瞳に光は無く。幸せそうに微笑んだあの時の面影も、もう見当たらなかった。


うまく働いてくれない理性に俺はぼんやりと、こんなクズ男きっと死んだ方がマシだと。


何度茉莉を傷付けたか分からない拳を見つめながら、自身を呪った。





「慶太……別れよう」


最初に審判が下されたのは、果たしていつだったか。


いつかそう言われるのは分かっていたし、そうなるようなことをしたのも俺だ。


つまり俺が全面的に悪いわけで、茉莉の選択は正しくて。


なのに俺は。


「……絶対嫌だ」


そう言って、抵抗しようとする茉莉を力で捩じ伏せるように引っぱたいた。


──その頃にはもう、自分で自分を止められなくて。



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