本気の恋を、教えてやるよ。
だけど茉莉は、全てを許すから。
俺のすることを全て赦して、受け入れてくれるから。
どうしてこんな腐った男を許すんだ、というやるせない気持ち。こんな程度じゃ嫉妬すらしてくれないのか、なんて。
だったら、まだ終われない。
私以外の女の子を見ないで、と縋られるまでは、終われない。
だけどそんな日は、きっと来ない。
……本当はもう、茉莉が壊れてしまったことに気付いてた。
前までの感情豊かな茉莉は消えてしまって、ただそこに在るのは、俺に従うだけの人形。
好きだと言えば、私もだと返ってくる。
抱きたいと言えば、君は服を脱ぐ。
そんな簡単な愛は、虚しいだけで。
彼女を壊してしまったのはこの手で、それはどうしようもない事実だ。
俺に心も体もズタズタに傷付けられた茉莉を可哀想だと、解放してあげたいと、確かにそういう感情もあるのに。
それが出来ないのは、俺の弱さ。