本気の恋を、教えてやるよ。

分かってはいたけど……俺ってやっぱり、人間のクズだ。


最初は怒りの隅で小さく燃えていただけの罪悪感も、日が経つにつれ怒りを上塗りするように大きくなっていった。


俺と女のキスシーンを見られた日から、茉莉の態度もよそよそしくなり、そんな茉莉を支えるのは、やっぱり駒澤で。


とうとう俺は邪魔者になってしまったんだな、と段々と思い知らされる。


俺と茉莉が主役だったはずの物語は、いつしか駒澤にその座を奪われていた。


茉莉に相手にもされず、避けられるばかりなら、女と遊ぶ意味もない。……何でこんなことしてたんだっけ、と虚ろになることもあった。


ぼんやりと霞んだ思考で、ただ一つハッキリしているのは、俺が茉莉の人生を狂わせているという事実。


茉莉は可愛いし、性格も良いし。

こんな男に引っ掛からなければ、もっと幸せな生活を送れた筈だもんな。


それこそ、駒澤のような。