本気の恋を、教えてやるよ。
「……泣きたいのはこっちだっての」
そうボヤいてポケットの中に手を突っ込むと、渡すつもりもないのについ買ってしまったプレゼントが指に当たった。
それを、包装ごとぐしゃりと握り潰す。
ずずっ、と啜った洟は、寒さのせいか、はたまた別の感情か。
十二月。
染み入るような寒さの中で、とうとう俺たちは終わりを告げた。
だけど、神様ってのは意地悪なもんで。
春に向け、前もって知らされた発令で、同じ紙面に並ぶ茉莉の名前を見て息を呑んだ。
その頃にはもう、きっと茉莉と駒澤は付き合い始めたんだろうな、と思っていた。よく二人でいるのを見かけたし、幸せそうな空気で満ちていたから。
二人を見るのは少し苦しかったけど、良かったな、という気持ちの方が強くて──なんてごめん、嘘。
同じ委員会は仕方ないにしろ、係まで同じになることを断らなかったのは、未練があったから。