本気の恋を、教えてやるよ。
そして、甘えるように、誘惑するように、少しだけ首を傾げた。
「……家、来なよ」
断る理由なんて無い。
慶太の家になんか、何度も行っているし。
抵抗なんて、無い筈なのに──。
なかなか出てこない「うん」という返事の代わりに、私はただ頷くことしか出来なかった。
それからの事は、あまり覚えてない。
折角楽しみにしてたお酒もお料理も、ほとんど味が分からなくなってしまった。
気が付けばもう慶太の家で。
久しぶりに入った慶太の部屋は、変わらないままで。
──ただ、私を見つめる慶太の瞳だけが、熱い。
背中にはシーツの波。
手は慶太の熱を持ったそれによって、ベッドに縫い付けられていて。
「茉莉……」
囁くような切ない声と共に降ってきたのはキスの嵐。
おでこから鼻の頭。唇、首筋。
啄むような優しい口付けが、私を包み込むけど。
「……緊張、してる?」