本気の恋を、教えてやるよ。
ガタガタと震えそうになる身体を、ぎゅっとシーツを握りしめながら戒める。
するとその時、バサッと上から掛け布団が降りかかり、視界が暗くなった。
「っ!?」
「嫌なら嫌って言え、馬鹿」
顔にかかった布団を退かして慶太を見上げると、慶太は眉をつりあげ、怒ったような、悲しむような顔で私を見下ろしていた。
「そんな震えて、ガチガチになられても困る」
「ちが……」
「何が違うんだよ。……分かってるんだろ」
ふ、と眉間のシワをほどいた慶太が、微笑んで。
乱れた私の服を、優しく整えてくれた。
「もういいよ。大丈夫だから、俺」
ゆっくりと私を起き上がらせる慶太。
視線が絡み、陽だまりのような視線が私を照らす。
「茉莉の優しさにつけ込んで、利用してごめん。俺の傍に居てくれて……居ようとしてくれて、嬉しかった」
「な、に……」
何でいきなり、そんなこと言い出すの?