本気の恋を、教えてやるよ。

じ、と覗き込まれて、ドギマギしてしまう。


こうして近くで見ると、本当にイケメンだ……欠点ひとつないし、毛穴すら見えない。


「えと、あの、じゃあ……椅子に……」

「ん」


私はいいけど、彼を床に座らせっぱなしは心苦しすぎる。


そう思って二人椅子に座ったけど、そもそもなぜ駒澤くんはここに？と首を傾げた。


「あの……駒澤くん？」

「なんだよ」

「えっと、どうしてここに居るのかなと……あっもしかしてこれからここ使う！？」


慌てて立ち上がろうとすると、「違うから落ち着け。座れ」と睨まれてしまった。


「妻夫木に、アンタのこと見かけなかったかって言われて、上から降りてくる時丁度アンタの事見たから、そう言ったら様子みてこいってパシられただけ」

「そ、それは……」


梓ちゃん、私が慶太に連れてかれるところ見てたのか……。


結果的に助かったけど、偶然通り掛かった同期を使うとは、恐るべし。