本気の恋を、教えてやるよ。



そして、翌日。


お昼休み、エントランスに行くとそこに立っていたのは佐川くんだった。


梓ちゃんと二人、駆け寄ると佐川くんはいつもと変わらない笑顔で迎えてくれた。


「お疲れ、二人とも」

「お疲れ」

「お疲れ様……!ごめんね、急に誘っちゃって」


今日の朝、あらかじめメッセージを入れておいたのだ。相談したいことがあるのでお昼に会えませんか、と。


「それで、相談したいことって?」


会社近くの定食屋に入り、注文を終えた所で佐川くんが不思議そうに切り出す。


「うん……。あのね、バスケ部って、今夏も合宿ある?」


まずはそれが無いと始まらない。


佐川くんはぱちぱちと瞬きながらも、あるよ?と頷く。


……よし、作戦決行だ。


「あのね、お願いがあって……今年もまた、その合宿に連れて行って欲しいの」

「えっ!?」

「ダメかな……」

「や、駄目っていうか……なんというか……」



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