本気の恋を、教えてやるよ。
がしっ、とテーブルの上に置いていた手を両手で包まれた。
「そういう事なら俺、協力する!」
「え、あ、ありがとう……?」
「合宿のことは任せて!俺から楽斗にはバレないように伝えとくから!」
ビシッと敬礼までしてくれた佐川くんに、今度は私がぱちくりと瞬きながら、梓ちゃんと目を合わせる。
「……第一関門、突破?」
「みたいね」
それから、言葉通り佐川くんは私たちの同行許可を取ってくれ、合宿は去年と同じくお盆休みの最初に開催されることになった。
そして、合宿当日。
──予想通り、駒澤くんの機嫌は氷点下だった。
私と梓ちゃんが集合場所に来たのを見て驚いていたところを見ると、本当に私たちが来ることは知らないまま今日を迎えたみたいだ。
「おはよー!」
そしてそんな駒澤くんとは対照的に、佐川くんは元気いっぱいである。