本気の恋を、教えてやるよ。



楽斗はクスクスと笑う私を暫く拗ねた顔で見ていたけど、やがて諦めたように少し笑い、私の頭にコツンと自分のそれを合わせる。


「仲良いのは良い事だけど、俺とより仲良くしないで」

「……今じゃ、楽斗の方が慶太と仲良いのに?」

「バッ……それはない!」


弾かれたように顔を上げ、目を見開きながら否定するように手を振る楽斗。


でも私は、最近何かと二人で楽しそうに話したり、慶太が楽しげに楽斗をからかってたりするのを見ているのだ。


二人の仲が良さそうだと、私も嬉しいんだけどな。


私のそんな生暖かい視線に気づいたのか否か、楽斗はコホンと咳払いをし、「ところで夕ご飯何食べる?」と話題を切りかえた。


本日金曜日。
週末はなるべく二人でご飯を食べよう、と付き合った時に二人で決めた。


しかし、今日の私には秘策がある。

心の中でにんまりと笑い、表面上は微笑んで楽斗と目を合わせた。



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