本気の恋を、教えてやるよ。



「楽斗さえ良ければなんだけど……」

「うん」

「私の家でご飯にしない?腕によりをかけて作るので!」


むん、と力こぶを作る真似をしてみせると、楽斗は驚いた顔をした。いや、むしろ驚きを超えて唖然としたような表情にさえ見える。


……あれ、なんだか思ってた反応と違うな?


もう少しこう、「え、いいの!?」みたいな反応を想像してたんだけどな……。


「……もしかして明日、朝早かったりする?」

「いや、」

「面倒だったらそのまま泊まっていっても平気だよ?」


そう言うと、更に楽斗の目が丸くなった。


おかしいな……梓ちゃんに、絶対喜ぶよって太鼓判を押してもらった秘策なんだけど。


名付けて、手作りご飯で彼の胃袋を掴もう!大作戦である。ネーミングセンスの無さは放っておいて欲しい。


外食だといつも楽斗が奢ってくれちゃうから、たまにはお返しがしたい。そう相談した私に、「家で手料理でも振舞ったら?」と提案してくれたのが梓ちゃんだった。



< 379 / 392 >

この作品をシェア

pagetop