本気の恋を、教えてやるよ。
#3.私の愛を否定しないで
ゆるゆると。
何かが優しく、私の頬を撫でていた。
いつの間にか寝ていたみたいで、まだぼーっとする頭で、私に優しく触れる正体を確認しようと、重たい瞼をゆっくりと持ち上げる。
「慶、太……?」
掠れた声で呼ぶと、慶太が私へと視線を向けた。
その際に、私に触れていた優しい温もりも離れていってしまい、少し寂しくなる。
「起きたのか」
「うん……」
気付くと、窓から覗く空は夕闇に包まれていて、あれから何時間も経っているのが分かった。
……お昼ご飯食べてないから、お腹すいたな。
とりあえず服を着よう。
そう思い起き上がろうとした途端、腰からカクンと力が抜けてしまい、そのままシーツに逆戻りする。
……腰から下が重すぎて、起き上がれない。
唖然としながら、どうしたものかと悩んでいると、そんな私をじっと見ていた慶太が、横から腕をのばし、そのまま私を抱き締める。