本気の恋を、教えてやるよ。



日替わりランチを二人分注文してから、流れる沈黙。


「えっと、あの……」


気まずい空気をどうにか打破しようと、声を押し出してみるが言葉が続かない。


そんな私わ梓ちゃんは一瞥し、やがて深いため息を吐いた。


「……心配した」

「あ、」

「メッセージくらい、返しなさいよバカ」


恨み言のように訴えられ、胸が痛む。


日曜日、いくつかメッセージを受けていたのだが、気付けなかったのだ。


「ご、ごめんね。電源切れてて気づけなくて……」


気付いたのが今日の朝で、お昼の時に直接話せばいいやと後回しにしてしまった。


しかし、梓ちゃんの瞳が安堵から潤んでいるのを見て後悔する。


また心配させちゃった……。


項垂れる私に、梓ちゃんは気を取り直したように微笑んだ。


「叩かれたり、殴られたりしてない?」

「うん、大丈夫」


即答すれば梓ちゃんがホッと表情を緩める。



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