本気の恋を、教えてやるよ。




桜もすっかり散り、昼間は過ごしやすい気温だけれど夜になるとまだ薄手のカーディガンが手放せない。


あんまり冷たいものだとお腹壊しちゃうかな……。


というか、仕事終わってから何も食べてないから、お腹すいてきたな……。


そう思った途端、ぐう、と鳴るお腹。


さっきまではちっとも食欲なんかなかったけれど、少し安心したからか急に胃が活動し始めたみたいだ。


「パスタでも食べようかな。梓ちゃんは?もうご飯食べた?」

「私は今日定時だったから。コーヒーだけでいいや」


わかった、と頷いて店員さんに注文する。


それから、私のパスタが運ばれてくるまでの間は仕事の愚痴とか、新作のコスメとか、他愛もない話をしてたけど、パスタが運ばれてくると梓ちゃんが表情を引き締めた。





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