本気の恋を、教えてやるよ。

瞬間、駒澤くんの瞳に激しい憎悪の炎が突っ切る。


「……なんでアンタ、筒井と付き合ってんの？」

「なんで、って」

「アンタを傷付けるような男なのに、どうして？」


どこか私を責めるような視線で追求され、たじろぐ。


「こんなこと、俺の口から言うことでもないだろうけど……あいつ、遊んでるって噂だよな。その事は？」


知ってる。

だって何度も、目の当たりにしてきたんだもの。


「知ってるよ……」

「……なら、尚更だろ。なんでだよ」


駒澤くんの悔しそうな視線が頬に注がれる。


「おかしいだろ、こんなん……」


呻くようなかすれた声。


やっぱり、おかしいよね、こんなの。

浮気されても、殴られても、それでも傍に居続けるなんて。


でも、誰に理解されなくてもいい。


他人から見たら歪な私たちの愛でも、私たちだけに──慶太と私だけに理解できてれば、それでいい。