本気の恋を、教えてやるよ。
「そんなの普通じゃないんだよ、アンタ、間違ってる。アンタの恋愛感は歪んでんだよ…!」
「はたから見たらそうでも、私は歪んでないって信じてる」
「浮気も暴力も許せるなんて、普通の精神状態じゃない」
「でもそれが、私の愛情表現なの」
「だから……!」
駒澤くんは叫ぶように言葉を繋ごうとして、でも打っても響かない私に、やりきれない、といったように項垂れ、私の肩に額を押し付けた。
私の肩を掴む彼の腕が、何かを耐えるように、抑え込むように震えていて。
「……そんなの愛じゃねーよ」
愛だよ。心の中で呟く。
例え世界中の人が、駒澤くんのようにこの気持ちを“愛”ではないと否定したって、私にとってこれは紛れもなく愛なの。
誰になんと言われようと、私は慶太を愛してる。
……愛してるんだ。