角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「あの、せんぱ……」


どきどきして、息が短くなる。


「瑠衣、すげー甘い匂い」


先輩の声は、優しくて。


「おまけに肌、真っ白だし」


吐息がわずかに首筋にかかり、くすぐったくて身を捩る。


「ここに跡つけたくなる」

「へっ……?」


あとって、一体なんの……?


「ん。いい?」


なにがなんだか分からなかったけど。


「だっ、ダメです……!」


私の中の赤色ランプが点滅していた。


「ちょっとだけ」


先輩の甘い声が、私の心を惑わし。


「だっ……ダメです……」


先輩が見上げる形で私を見つけるから、どきどきが止まらない。


「じゃー、これで我慢する」


私から目を離したあと、また首筋に顔を埋めた先輩は。

そのまま、そこへ口付けた。


「っ?!」


そのせいで私の言葉は、声にすらならない。


「今日は、これでなんとか頑張れる」


それなのに、見上げた先輩の表情は満足げで。


「それと忠告。そろそろ我慢も限界だから、あんま俺のこと無自覚に煽るなよ」


口元を緩めて笑った先輩は、あまりにもかっこよすぎてどきどきが止まらなかった──。
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