角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
先輩の腕の中は、甘過ぎます
*
ただいま私は、絶対絶命のピンチです……!
「楠木さんってやっぱり平野先輩と親密な関係なんじゃないの?!」
クラスメイトの女の子たちに、詰め寄られています。
原因は、数日前に先輩が教室に来て私を連れ去ったあの一件。
そのせいで注目の的になり、廊下には他のクラスの先輩のファンの子たちも来ていた。
「し、親密って……」
「だからそれは恋人同士ってことだよ!」
私と平野先輩が恋人同士……?!
「違うよ…私と先輩は、ほんとにそんな関係じゃないよ」
お菓子をあげる関係ではあるけど、それ以上なんて私たちに限ってはない……。
「じゃあこの前のあれは何だったの? どうして先輩が楠木さんを連れて行くの?」
「え…それは……」
どうしよう。お菓子をあげてるからとは言えないし……。
「私が落としたものを…拾ってくれたみたいで…」
「落とし物? だったら教室で渡せば済む話じゃない?」