角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「ようやく行ったみたいだな」


先輩は安堵したように声を落とすが、腰に回っている腕は離れない。


「つーかなんで追いかけられてたんだよ」


うっ……。どうしよ、言ってもいいのかな……。


「じ、実は、先輩とのことを誤解されちゃってるみたいで……」

「誤解?」

「はい…この前、先輩が教室に来たので、それを親密な関係だと誤解されちゃったみたいで……あっ、でももちろん違うって説明したんですよ?!」


私たちは、親密な関係じゃないもん。


「だって私たちは、ほんとに先輩後輩の関係だけですし……」


それ以上でもそれ以下でもない。

それなのに、みんな勘違いするなんてどうしちゃったんだろう……。


「こんなことしてんのに、ただの先輩後輩だと思う?」


腰に回されている手に、ぎゅっと力が加わる。


「……へ、先輩?」

「ただの先輩後輩ならこんなことしたり、首筋にキスしたりしない」
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