角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「それさ、無自覚でやってるとかまじでずりーよな」

「……あの、先輩?」

「ほんと瑠衣、タチが悪ぃ」


えっ、先輩怒ってる?

私、また何かしちゃったのかな……。


「でも、可愛すぎるから許しちゃうんだけど」

「へっ……! か、か……」

「蚊?」


先輩、今、私のこと可愛いって言った?


「い、いえ、なんでもありません……」


……ううん、そんなはずないよね。だって私、平凡な女子高生だもん。今のはきっと聞き間違いだよねっ。


「ふーん? ま、いーや」


よかった、先輩あんまり気にしてなさそう。


「だけど、瑠衣。今度その顔したら唇塞ぐから」

「……へ?」


唇をつつーっと優しく撫でるから、どきどきが止まらなくて。


「俺、そろそろ自分抑えんのも限界だからさ。瑠衣が少しでも隙見せたら、容赦なく攻めるから」


そう言って、唇の横にキスをひとつ落とす。


「っ!!」


直接唇にキスをされたわけではないのに、どうして私こんなにどきどきするんだろう──。
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