角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
お菓子の隠し味は……
*
家庭科の授業でお菓子を作ることになった。
「わ〜い! 久しぶりにお菓子作りだぁ」
「瑠衣、ほんとーにお菓子作るの好きだよね。今も嬉しそうな顔しちゃってるし」
「だってすっごく嬉しいんだもんっ。お菓子作るの楽しみにしてたの!」
わくわくして昨日の夜なんてなかなか寝付けなかった。
まるで修学旅行の前日みたいに。
「俺も楽しみだなぁ」
つばきちゃんと話していると、日向くんがそばへ寄って来た。
「日向くんもお菓子作り楽しみにしてたの?」
「あー、うんまぁ。でも俺はべつの意味で楽しみってことかな」
べつの……? じゃあ、お菓子を作るのが楽しみってわけではないのかな。
「……あっ、もしかして食べるのが楽しみなの?」
ピンときた私がクイズを答えるように声を張ると、「うーんまぁ、そういうことにしておくか」と苦笑いの日向くん。