角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

だってここは2階で先輩は、グラウンド。

それだけ離れていたら見えるはずがない。


「き、きっとファンのみんなに手を振ったんだよ!」


私じゃない、ほかの女の子に。

だって私よりみんなの方がすごく可愛いもん。


「それより早くお菓子作りの続きしよ?」


窓際から離れて作業を再開させると、ちょうど取り物をして帰って来た先生に女の子みんな「こらっ、何してるのー!」と叱られた。


みんな一斉に戻っていくが、それでもやっぱり先輩のことが見たいようで、先生の隙を見ては窓際に集まる女の子。


その視線は、まるで恋をしている乙女のようで。

ちょっとだけ羨ましいなぁ……なんて思ったりしたんだ。
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