角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
モテモテ……? それって誰が……。
「わ、私が……?」
「うん、そうよ」
「なんで私が……」
だって私なんて、地味で平凡なただの高校生でモテる要素なんか一切ないのに、つばきちゃんはどうしてそんなこと言うんだろう。
「瑠衣ってば、ほーんと自分の良さに全然気づいてないよね。まぁ無理もないっか。だって無自覚だもんね」
私の良さって、なんだろう。
「つばきちゃん、あの……」
「これからが楽しみだな〜」
つばきちゃん教えてくれない。ううっ、意地悪だ……。
「それよりさ、瑠衣。それ先輩にあげるんでしょ」
「どうして、それを知ってるの……」
「だって今、日向くんに言ってたじゃない。これはあげられないって。瑠衣がそんなこと言うの、先輩くらいだし」
つばきちゃんの洞察力は恐るべし。
まるで探偵さんが真実を見つけるときのようだ。