角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

あのときは、はっきりと顔を見たわけじゃないけど、寝てたから少し幼く見えたような……。

でも今、目の前にいる先輩はクールに見えて、とてもじゃないけど同一人物と言われなければ分からない。


「で、話戻るけど。この前は、お菓子ありがとう。すげーうまかった」

「あ、いえ……お口に合ってよかったです」


へへっ、嬉しい。お菓子、褒められた。


「それと……風邪引いてないみたいでよかったです……」

「心配してくれたんだ」

「あ、だって……春だからといっても夕方はまだ少し冷えちゃうので」


春だからと油断しちゃうとすぐに風邪引いてしまう私。


「あー、まぁな。たしかに冷えるよな」


でも風邪ひいてないみたいでよかったぁ。


「つ、次は中庭で寝ないよう…に気をつけて、くださいね……」

「ああ。ありがとう」


よかった。見た目より先輩、優しい人だ。


「……あれ」

「ん、どした?」


ちょっと待って。でもなんで、先輩はこの前のあれが私のだと知って……
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