角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「今、スマホ持ってるんでしょ?」

「う、うん……」

「じゃあ連絡してみたら。瑠衣のエプロン教室に持って帰るし」


つばきちゃんが私の手からエプロンを取るから、空いた両手で私はスマホを操作する。


【家庭科の授業でお菓子を作ったんですけど、食べませんか?】


どきどきする心で、送信ボタンを押してすぐ既読が付くと、すぐに。


【食う】

と、帰ってくる。


わっ、よかった……。


「先輩、なんだって?」

「……食べるって」

「やっぱりね。じゃ、私はこのまま教室戻るから瑠衣は先輩のとこ行ってきな」


つばきちゃんは、まるで全てを察していたかのように私を送り出す。


「う、うん! ありがとう……!」


先輩、喜んでくれるといいなっ──。
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