角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
***
非常階段へ向かうと、先輩はすでにそこにいた。
「よ」
たった一文字そう言って、表情を緩めた先輩にどきどきする。
それとも走ってきたから、どきどきするだけ?
「先輩、お待たせしました……!」
このどきどきは、一体どっちなんだろう。
「2限目終わりに今日連絡なかったからお菓子食べられないと思ってたけど、まさかこんなサプライズがあるとはな」
サプライズ……かぁ。
先輩にそう思ってもらえると、連絡してよかったって思える。
「お菓子作ったあと、先輩の顔が浮かんだので……」
はじめからあげようと思っていたわけではなかった。
でも、みんなが先輩を見る目が女の子で。
それに感化されてしまったのか、あげたいなぁと思うようになって……
「なにそれ」
フッと笑われて。