角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
先輩、またそんなこと言う……。
どきどきしてしまう私は、顔がボボっと熱くなる。
「俺は瑠衣に手振ってほしかったけどな」
私が手を振ったら、きっとクラスメイトにまた何かを言われちゃいそう……。
「つーか、それよりも気になってることがあるんだけど、隣のあの男、誰?」
隣の男の子……?
あのとき私のそばにいたのは……
「あっ、もしかして日向くんのことですか?」
「なに。いつもそう呼んでんの?」
少しだけ先輩の声色が曇る。
「……? 日向くんは日向くんなので」
「ふーん、あっそ」
あれ。先輩、なんか少しムスッとしちゃってる……。
私なにか怒らせるようなこと言ってしまったのかな。