角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

先輩、またそんなこと言う……。

どきどきしてしまう私は、顔がボボっと熱くなる。


「俺は瑠衣に手振ってほしかったけどな」


私が手を振ったら、きっとクラスメイトにまた何かを言われちゃいそう……。


「つーか、それよりも気になってることがあるんだけど、隣のあの男、誰?」


隣の男の子……?

あのとき私のそばにいたのは……


「あっ、もしかして日向くんのことですか?」

「なに。いつもそう呼んでんの?」


少しだけ先輩の声色が曇る。


「……? 日向くんは日向くんなので」


「ふーん、あっそ」


あれ。先輩、なんか少しムスッとしちゃってる……。

私なにか怒らせるようなこと言ってしまったのかな。
< 124 / 280 >

この作品をシェア

pagetop