角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「つーか、あの距離なに。いつもああなの?」


曇った声色で繰り返し質問をされる。


「あっ、あれは、たまたまというか偶然、日向くんが来ただけで普段はそこまでではないです」

「でも嫌がってなかったよな」


あれ、話が噛み合っていないような……。

それに先輩、いつもより少し言葉に棘があるみたい。


「えっと、それはクラスメイトなので……」

「クラスメイトだったら男がそばにいても平気なんだ」

「え? いやあの……」


どうしよう、これって完全に先輩のこと怒らせちゃったかな?!

謝るべき? でも、怒らせた理由も分からないのに……。


「俺は瑠衣だけなのに、瑠衣はそうじゃないんだな」


せっかくさっきまですごく楽しい雰囲気だったのに、こんなの嫌だよ。

私、先輩と過ごす時間が好きなのに……


「ごめんなさい……!」


ここはもう謝るしかないよね。


「私が先輩のこと怒らせちゃったんですよね? でも私、怒らせちゃった理由が分からなくて……」
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