角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「ええっ、やっぱり病気なの?」

「ちょっと瑠衣、落ち着いて!」


慌てる私の肩をポンッと叩いたつばきちゃんは、


「病気に似てはいるけど全然病気じゃない。瑠衣はこれからも何十年も生きるから楽しいことたくさんできるよ」

「ほ、ほんとに……?」

「うん。だからまずはゆっくりと深呼吸を吐いて」


言われるがまま深呼吸をすると、少しだけ気持ちが落ち着いた。


「どう? 大丈夫そう?」

「うん。さっきは取り乱してごめんね」

「いーよ。何も分からない瑠衣なら、そうなってもおかしくないし」


つばきちゃんてば優しすぎる……。

私、つばきちゃんと友達になれてよかった。


「それよりまずは状況を整理してみよ。瑠衣は最近先輩といると、胸のところがぎゅっと苦しくなったりするんだよね?」

「う、うん……」


心拍数が早くなるっていうのかな。それが病気なのかと思っていたけど……。


「あっ、でも苦しいだけじゃなくて嬉しかったりもするの!」
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