角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「嬉しいって例えばどんなふうに?」
……えっと、なんて説明したらいいのかな。
「先輩と一緒にいるとすごく安心するっていうか、私のお菓子おいしいって言ってくれるからすごく嬉しくて、もっとおいしいのつくりたいって思うの」
「うん、それ前にも言ってたよね」
先輩が“おいしい”ってひと言言ってくれるだけで、心がぽかぽかする。
「じゃあどんなときにどきどきする?」
まるでつばきちゃんは、お医者さんのように詳しく聞いてくる。
「え? うーん……」
私が先輩にどきどきするときってどんなときだろう。
たしか先輩が、私に……。
「最近、距離が近い…というか、スキンシップみたいなのが増えて……」
「どんな感じで?」
「えーっと……だ、抱きしめられたりとか……」
思い出しながら事を説明していくのが恥ずかしくて、目線を下げる。
「えっ、先輩に抱きしめられたことあるの?!」
「う、うん……」
最近、とくにスキンシップが多い気がする。