角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「あら、そう。この学校広いからね。それより平野くん見かけなかった?」
「平野先輩……ですか?」
「うん。平野春斗くんっていう男の子なんだけど」
やっぱりみんな先輩のこと探してるんだ。
でも、いつもなら先輩この上にいるはずなのに……
あれ、そういえば私……今日先輩にお菓子いるか連絡してない。
「分からない…です」
「そう。引き止めちゃって悪かったわね」
先輩たち数人はまたどこかへ先輩を探しに向かう。
び……っくりしたぁぁぁ……。
心臓が止まるかと思った。怖かった。ふう……。
それより先輩に早く連絡してみなきゃ、休み時間終わっちゃう。
【先輩、お菓子今日どうしますか?】
すぐに送信すると、既読がついた。
【食べる】
よかった。先輩食べてくれる。
……あっ、でも今非常階段に来たらまずいよね。
さっきの先輩たちが来ないとも限らないし。