角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
【さっき非常階段に先輩のことを探してた女の先輩たちがいたんですけど……】
みんな綺麗な人だったなぁ……
【まじ?じゃあ、東棟の空き教室って分かる?鍵開いてるし入れると思うけど】
東棟……は行ってみたことないけど、ここから近いよね、多分。
【分かりました。行ってみます】
周りに人がいないことを確認して、スマホとお菓子を抱えて東棟に向かった。
先輩に言われた通りに東棟の空き教室にやって来た。
「先輩……いますか?」
ドアを恐る恐る開けて、静かに中へ入る。
空き教室は、物置と化していてそのままになった本棚や一人用の大きめのソファ、文化祭で使ったと思われる飾り等があちらこちらに置かれていた。
「瑠衣?」
物置の奥の方から声がする。
この声は、先輩だ……。
「……は、はい」
「こっち来て」
私は、先輩の声のする方へゆっくりと足を進める。
すると、物置の影に隠れるように先輩は座っていた。
そこには、少しのスペースがあった。