角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「すごくなんてないよ。全然ふつー」


私も先輩みたいに勉強できるようになりたいなっ。


「それよりなんで女子が俺のこと探してたの?」

「私も分からないんですけど、非常階段に向かおうとしたら、降りてきて……平野先輩知らないか聞かれました」

「は? 瑠衣に声かけたの?」


名前は、分からないけど。多分先輩のファンの子たちだよね、きっと……。


「……はい」


みんなすごく綺麗な人たちだった。


「なんもされなかった?」

「はいっ、大丈夫でした」


嘘ついちゃったことは、罪悪感だけど……。


「それよりこれ先輩、これどうぞ!」


忘れていた袋を先輩に手渡す。


先輩、喜んでくれるかな。びっくりするかな。


「この前、先輩が食べられなかったプチシューです。なに作ろうか悩んだんですけど、先輩すごくプチシュー食べたがってたのを思い出して」


いつも何作ろうって考えるのが楽しいんだよね、お菓子作りは。
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