角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
びっくりさせたいってのと喜ばせたいってのがあって、これを選んだけど……先輩どうかなぁ。
「この前は、私が勝手に日向くんにあげちゃったから先輩食べられなくて、拗ねてたので……だから思い切ってまた作ってみましたっ!」
先輩は受け取ると、袋の中のプチシューをじーっと見つめる。
どうだろう。喜んでくれてるかな。
「俺、べつにこの前拗ねてねーけど」
えっ、拗ねてなかった……?
うそ、でも……。
「なんか先輩、日向くんに怒ってるというか……」
「それは怒ってる」
拗ねてはないけど、日向くんに怒ってるってどういう意味だろう……。
日向くんがお菓子食べちゃったから?
でもそれは私が勝手にあげちゃったのがいけないんだもん。日向くんに罪はないよね。
「つーか今も」
「……へ?」
「俺以外の男の名前出すなよ」
ほら……先輩またそういうこと言う。
だから私、どきどきしちゃうのに……。
「瑠衣は、俺だけを見とけばいいの」
綺麗な瞳が、真っ直ぐ私を見つめる。