角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「俺は、べつに見つかってもいいよ。瑠衣と噂になるなら大歓迎だし」
「なっ……なに、言ってるんですか。そんなのダメ…ですよ」
「瑠衣は俺と噂になるの嫌なわけ?」
ムスッと声が曇った。
先輩と噂になることが嫌なわけじゃないけど……理由はどうであれ結果同じ意味になっちゃうのかな。
「黙るってことは肯定してるってこと?」
「ち、がいます……でも、先輩すごく人気者なので……」
きっとその噂を聞いたファンの子たちは、怒っちゃうと思う。
だって私は地味で平凡で普通の高校生なんだもん。
先輩とは、住む世界が違う。
知っていたはずなのに、それが少し寂しくて。
お菓子をあげる関係になって先輩に近づけた気がするのに、すごく遠い存在に感じる。
「俺、べつに人気者じゃないし。つーか、そんなんどっちでもいい。瑠衣さえそばにいてくれるなら俺は、そんなの興味ない」
こうやって先輩がくれる言葉に私は、どきどきしてしまう。
いちいち意識してしまう。
先輩は、こんなことなんてことないのに……
どきどきしてるのは、私だけ。