角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「先輩の話。ほら、噂知ってるでしょ。あれほんとなのかなって」

「あー……さっき俺もそこで聞いた。今までそんなことなかったのになんでって女子が嘆いてた」


廊下の方を指差して、苦笑いをする日向くん。


嘆いてた……。
それだけ先輩のこと好きだったんだ。


「みんな平野先輩のことそんだけ好きだったんだろーね」

「そりゃあ先輩にはファンがたくさんいるからね。落ち込む子多いだろうね」


平野先輩に彼女がいると知ってみんなすごく落ち込んでいるんだ。


でも、私だってすごく悲しい……。

先輩のことを好きだと気づいたからなおさら。


「日向くんはどう思う? 噂ほんとだと思う?」

「うーん、どうかなぁ。でも彼女か分からないけど、前に一度可愛い子と一緒に並んでる姿見かけたことあったけど」


えっ……うそっ、やだ。

耳を塞ぎたいけど、日向くんがいるからそんなことできない。
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