角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「たしか……1年生だったけど黒髪でボブっぽかったかなぁ」
1年生でクラスが違って黒髪の子は、きっと探してもたくさんいる。
でも、日向くんがそこまで的確にいうってことは、先輩が女の子と一緒にいたのは事実なんだよね……。
「もしかしてその子と噂になってるんじゃない?」
「なんで?」
「なんでって……すごい可愛い子だったから」
……先輩が他の子と一緒に……やだ……。
私……先輩のこと好きなのに、先輩はそうじゃない?
私のことからかってただけ?
先輩に好きな人がいるなんて聞いたことなかった。
「楠木さん、それお菓子また誰かにあげるの?」
ふいに日向くんに尋ねられる。
「…そのつもり…だったんだけど……」
彼女がいると聞いてしまった以上、やっぱりこれはあげられない。
「ちょっと瑠衣、もしかしてあげないつもりじゃないでしょうね!」