角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
一緒にいるのに、心はなぜな満たされなくて、急速に冷えていくみたい。
「それより私っ、今先生に呼ばれてるの忘れてました!」
「先生に?」
「は、はいっ……。だから早く行かないといけなくて……」
真っ直ぐ見つめる先輩の瞳から逃げるように目を逸らす。
見つめられたままいたら、嘘がばれてしまいそうだから……。
「そっか。悪いな引き止めて」
嘘を信じてくれた先輩は、私を解放する。
先輩のこと好きなのに、先輩に抱きしめられるの好きなのに……
このまま一緒にいたら、先輩のこと傷つけること言ってしまいそうだから。
「えっ、と……じゃあ私、行きますね」
「うん。またな」
逃げるように私は、その場を立ち去った。
最後まで先輩の顔を真っ直ぐ見ることができなかった。