角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
あんなに仲睦まじかったんだもん。あれが恋人同士じゃなきゃおかしい。
それとも先輩は、陰でそういうことができる人……?
もう先輩のことが分からない。
先輩のこと……忘れたい。
ううん、忘れなきゃいけない。
「瑠衣」
それなのに忘れさせてくれない。
頭の中で私の名前を呼ぶ声がする。
「きゃ……っ」
女の子の無数の騒ぐ声。
一体、なにがあったんだろう……。
「瑠衣、呼んでる」
「へっ……?」
呼んでるって一体誰が……
「瑠衣、いた」
顔を上げると、いつのまにか教室に入って来ていた先輩。
やだ。どうして先輩がここに……。
私が連絡を返さなかったから?
でも、彼女がいる人に連絡なんて返せるはず……ないもん。