角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
「……うん」
だけど、素直になれない私がいる。
それなのに……心は先輩のことを探してる。
どうして私、こんなに先輩のこと求めちゃうんだろう。
あんなことされちゃったけど、好きっておかしいな……。
「せっかく先輩のこと好きだって気づけたのにもったいないね」
先輩のこと好き……だけど、あんなことする先輩はいやだ。
「……そう、だね」
ファーストキスは、もっと特別なものだと思う……。
大切な人と両思いになれたときにするものなのに、あんな強引にされたって全然嬉しくなんかないもん。
「私が口を出すことじゃないからなにも言わないけど、瑠衣が後悔しないようにしてね」
そう言ったつばきちゃんは、どこか寂しげで。
「……うん、ごめんね」
私、たくさんの人に心配をかけてる。
それがすごく申し訳ないのに、どうすることもできなくて。
心の中で、何度もごめんねと謝った。